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2021.11.05 法改正

被保険者数100人超の会社は注意!短時間労働者に対する社会保険適用拡大(R4.10~)について ③新たな加入対象者に伝えるべき事

令和2年6月の法律改正に伴い、令和4年10月以降短時間労働者に対し社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用が拡大されます。適用拡大まで1年を切りました。直前になって慌てることのないよう一つずつ要件を確認していきましょう。

今回は、「新たな加入対象者に伝えるべき事」についてお伝えします。

①社会保険加入対象者となることを伝える

  • 週所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が88,000円以上
  • 2か月を超える雇用見込み
  • 学生ではない

上記の4つの要件を全て満たしており、社会保険加入対象者であることを伝えます。

②厚生年金保険に加入する

受給資格期間を満たした場合、下記の年金を受給することができます。

  • 老齢厚生年金・・・国民年金・厚生年金・共済年金を含めた受給資格期間(保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間)が10年以上あり、厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上ある65歳以上の方に支給されます。
  • 障害厚生年金・・・厚生年金保険被保険者期間中に初診日のあるけがや病気により障害状態に該当した場合に支給されます。障害基礎年金1級又は2級に該当する場合には障害基礎年金に上乗せして支給されます。3級に該当する場合には3級の障害厚生年金が支給されます。3級に該当しない程度の場合には障害手当金が支給されます。
  • 遺族厚生年金・・・厚生年金保険被保険者が死亡した時や、被保険者資格喪失後に被保険者であった期間に初診日がある傷病により初診日から5年以内に死亡した時、障害等級1級2級の障害厚生年金受給権者が死亡した時などに、遺族に対して支給されます。

③健康保険に加入する

国民健康保険にはない下記の二つの手当金を受給することができます。

  • 傷病手当金・・・私傷病による休業(4日以上)中、会社から給与・報酬が支払われない場合に給与額の3分の2相当額が支給されます。
  • 出産手当金・・・出産予定日以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産日の翌日以後56日間、会社から給与・報酬が支払われない場合に給与額の3分の2相当額が支給されます。

④社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)を給与天引きにて納付する

健康保険料(75歳未満の方のみ)    ・・・標準報酬月額×4.86%

介護保険料(40歳以上65歳未満の方のみ)・・・標準報酬月額×0.9%

厚生年金保険料(70歳未満の方のみ)  ・・・標準報酬月額×9.15%

上記と同額の保険料を会社も負担します。(会社は更に標準報酬月額×0.36%の子ども・子育て拠出金を負担します)

⑤今まで家族の被扶養者となっていた方は被扶養者から外れる手続きが必要となる

新しい健康保険証の交付後、ご家族の勤務先にて被扶養者から外れる手続きをとる必要があります。今まで使用していた健康保険証を返還してください。

⑥今まで国民健康保険・国民年金保険に加入されていた場合には同保険脱退の手続きが必要となる

新しい健康保険証の交付後、お住まいの市区町村役場国保年金課にて脱退の手続きをとる必要があります。今まで使用していた健康保険証を返還してください。前納制度等にてあらかじめ保険料納付済みの場合には健康保険厚生年金保険資格取得日に応じて保険料が再計算され、過納付となった場合には返還されます。

厚生労働省がリーフレットを公開しています。https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.files/jigyounusiri-huretto.pdf

対象となる方については社会保険料が徴収されることにより手取り額が減少するなどのデメリットがある一方、厚生年金保険や健康保険の給付等が充実することを説明していただき、労働者との話し合いの上で勤務時間の変更等についても検討していただくことが望ましいと思われます。

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