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2023.03.10 お知らせ

【今更聞けない】入社祝い金には社会保険料はかかる?

社会保険労務士の山口です。

弊社顧問先の社長様より、「新入社員に対し入社祝い金を支給する」との報告を受けました。求人広告に「入社祝い金支給」の旨をのせてみたところ応募数が跳ね上がったとのこと。今後の人材不足解消のための有効な手段の一つと言えそうです。

ところでこの「入社祝い金」は額面をそのまま労働者に渡すことができるのでしょうか?資格取得日以降に支払われた入社祝い金が『労働の対償』として社会保険料及び労働保険料の徴収の対象となるのか見ていきます。

◆「労働の対償」としての賃金とは

 賃金、給料、手当、賞与、その他名称のいかんを問わず、事業主が労働者に対して支払うもののうち下記のものを除いたものです

  • 実費弁償的なもの ・・・出張旅費、宿泊費、車の損料など
  • 任意的、恩恵的に支払うもの ・・・見舞金、結婚祝い金、死亡弔慰金など個人的な吉凶禍福に対して支給されるもの

◆入社祝い金の性格をみきわめて適正な申告を

 たとえば、社の際にやむを得ず転居が必要となりその転居費用の補填として支給する場合には、「実費弁償的なもの」となるため労働の対償とみなされません。

 「実費・弁償的なもの」でない場合には労働の対償として保険料の徴収及び申告の必要が出てきます。

◆年金事務所、労働局によって解釈に差があるようです。必ず確認を行うようにしてください。

年金事務所と労働局で解釈に違いがあるようです。地方によっても取り扱いが異なるケースがありますので、必ず事業所所在地を管轄する年金事務所及び労働局へ確認を行うようにしてください。

 ちなみに私が確認したところでは、下記の回答がありました。

  • 労働局は「年功慰労金と同様、事業主が任意的恩恵的に支払うものであり、労働の対償とはいえない」
  • 年金事務所は「将来の労働を前提とした支給であり労働の対償。賞与届の提出及び社会保険料の徴収必要」

◆職業紹介事業者による「就職お祝い金」は禁止

  職業紹介事業者が「就職お祝い金」を提供することをうたって求職申込みの勧誘を行うことは令和3年4月1日から禁止されております。ご留意ください。

【参照】職業紹介事業者の皆様へ(令和3年4月1日職業安定法指針一部改正)(厚生労働省HP)

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